2009年8月23日アーカイブ

合唱祭を終えて

|巻頭コラム|2009年7月号より

Bass・S

あいにくの天候と言うよりも、合唱祭の季節らしい雨の一日でした。

1999年にラターを歌ってから実に10年ぶりの参加、それも堂々の127名。殆どの方が合唱祭初体験だったでしょうか?

合唱祭参加は今期の行事予定としては団員総会にも上程されておりませんでしたが、演奏会まで一年半と言う長い練習期間のどこかで引き締めの本番をと考え、また団員募集にも効果的かと、松村先生とご相談の上出演を決めさせて頂きました。計画外の事で皆様にご負担をお掛けする面がありましたことをお詫びしつつ、それにも関わらず殆どの方が参加して下さったことに感謝しています。

考えた通り、短い時間でも舞台に乗るための練習は快い緊張感を生み、通常では得られない一体感も生まれ、目標の暗譜も難なく?こなすことが出来ました。

また松村先生からは大人数ゆえの移動の難しさを連盟にお話し頂き、ご担当の方も快く数々の例外的な便宜を計って下さいました。お陰で前回経験したような、練習も出来ずに舞台に上がることもなく他会場で余裕を以って練習をさせて頂き、狭い通路や階段を歩き回ったり、舞台袖の低い天井に頭をぶつけたりもせず、出入りも非常にスムーズでした。

これらのことが私の合唱祭に対する懸念を忘れさせ、全員がのびのびと楽しんで歌えた様子に、改めて参加して本当に良かったと心から思っております。ある団員の感想「他の団体を見たら、暗譜が当たり前なんですよね。わずか7分なんだから、やっぱり覚えなくちゃ!」嬉しいですねえ、これからも暗譜にどんどん挑戦しましょう。

この言葉を聞けただけでも合唱祭に出た価値大いにありです。

私たちの演奏についてはご指導の先生方のお話を伺い、また講評で指摘されたところも心して受け入れましょう。

出番が終り、ゆったりと聴かせて頂いた他の団体は上手なところが多かったですね。桑原先生の指揮された数団体、特にマルベリーチェンバーさんは若い人たちなのにヴェテランの味わい、ピノさんの透明で幻想的な響き。また初出場の横浜雙葉さんの演奏は感動的でした。 

ところで、今回の録音を聴きながら、私はなんとなく皆川達夫氏が研究された「隠れキリシタン」の話を思い出していました。氏は数十年前「オラショ」と呼ばれる隠れキリシタンの祈りの歌に初めて出会い、その意味不明の呪文のようになってしまった歌が、元はラテン語の聖歌であろうと直感されたのです。キリスト教徒への弾圧の時代、楽譜はおろか文字にも記せず、口伝えで歌い継がれた聖歌は400年の歳月のうちに甚だしく転訛していたのです。氏は、その後ヨーロッパ各地を長い年月をかけて調べ歩き、ついに元の聖歌を特定されたのでした。

私たちが暗譜の際、外国語を(特に多分ラテン語のような意味が分りにくい言葉は)丸暗記で覚えるのが普通です。丸暗記は時に語尾の子音が消えたり、言い難いところを言い易くしてしまう危険があり、これらの変化は400年の歳月を経ずとも簡単に起こり得ることです。

これからの練習の過程で暗譜を試みる時には、常に元の言葉を参照し、覚えている言葉のスペルが正しいか書き綴ってみるような事も、歌詞を意味不明の呪文にしないために必要かも知れません。

湘南フィルハーモニー合唱団
公式サイト

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