2011年8月 1日アーカイブ

  盛況のうちに、第21回演奏会【ヴェルディ「レクイエム」/  「テ・デウム」】は終わりました。今回も1500人余りのお客様に私達の演奏を聴いていただくことができました。巡り合わせとはいえ、大震災のこの時期に、これらの曲を演奏する意味(意義?)、私達の祈り、そして歌うこと、表現することへの情熱は、十分、感じ取っていただけたもの、と思います。
 演奏的には、あちこちで事故ったようですが、大崩壊に至ることなく、最後まで歌い通せたことが、何よりと思います。お疲れ様でした!
 
 で、息つく暇も無く、次のメンデルスゾーン作曲オラトリオ「聖パウロ」にとりかかりました。4年ぶりのオラトリオ、しかもドイツ語です! 
この曲は、 16年前(1995年)、松村先生が初めて本番も指揮をされた、湘フィルにとっては、思い出深い、記念碑的な曲ですが、嘗てシューマンが「連綿と続く美の鎖...」と評したように、とても美しいというか「素敵な」良い曲です。(まずは何か演奏CD*を聴いて、どんな曲か、掴んでみてください。)  
 この中で、合唱は多様な役割を演じなければなりません...民衆、異邦人、
教会の人々といった、物語の登場人物から、より普遍的な存在としてのキリスト教徒(信仰告白者?)まで...。歌うべき曲も、劇的で激しい民衆の叫びから、感動的なコラール、流麗な、あるいは力強い、あるいは心に沁みる合唱曲まで、実に多彩で、幅広い表現力が求められます。ミサ・レクイエム等と少し趣きが異なるかな、と思います。
 このオラトリオを歌うにあたって、私達が念頭に置いて取り組まねばならない課題は何でしょうか?  私は、
「アンサンブルの精度、合唱の切れ味」
であると思います。
こんなことを言うのは、今回のヴェルレク演奏について、毎回聴きに来てくれている、大学時代の合唱仲間達の率直な感想の、下記の言葉に非常にインパクトを受け、これらが強く心に残ったからです。即ち----

「人数が増えた分、音程の幅、動きの重さが気になった。歌える人となかなかの人の格差を縮めないと、音は濁ったまま。毎年良くなって来ているだけに、今年はちょっと厳しい目で見た。」 
「あれだけの大合唱団にアンサンブルを期待するほうが無理かもしれないが、皆、自分のパート譜を、横方向に歌いきるのに必死で、縦方向、すなわち他のパートを、お互いにきちんと聴いていたのはおそらく少数? 常に他のパートを自分の耳で聴きながら演奏するために、大曲であっても、たとえば少人数で、室内合唱団のような形式で合わせる練習も有効ではないか?」
 ここ数年、漠然と感じていたことをズバリと指摘されて、はっきりと(課題として)認識した、ということかと思いますが、考えてみれば、これは、このオラトリオを歌うからというだけでなく、湘フィルのような大(人数)合唱団の、いや、全ての合唱団の、「永遠の課題」であると思います。
 
 この課題を克服すべく、皆で一緒に取り組んで行きましょう。そして、「エリヤ」、「ヴェルレク」に続く再演曲となる「聖パウロ」も、初演を凌ぐ良い演奏で、もう一つの記念碑にしたい、と思います。
 頑張りましょう! よろしくお願いします。
                                                      (T).濱口

ヴェルディ演奏会を終えて

|巻頭コラム|2011年7月号より

最初に、メールで頂いたご感想の一部をご紹介します。
『テ・デウムの始まり、どこかの大聖堂にいるような気がしました。 その後も、ユニゾン、ア・カペラ、難しかったと思いますが、よくあそこまで歌い込まれたと感心して聴かせていただきました。
  またレクイエム。本当にあの震災の後にディエス・イレを聴くのはあまりに生々しくて辛かったのですが、チェロが静かに歌い出し、"レクイエム"と呟き始めた途端、「ああ、祈りだ」と思いました。 壮大なディエス・イレでした。それと、「音楽は少しの傷や音程などで評価するものでなく、演奏する方の気持ちが伝わるかどうかだ」と特に感じさせられました。これは"傷があったけど"と言っているのでなく、練習でそこばかり気にしていると思い切り表現できなくなると感じることが多いからなのです。 とにかく感動しました。』

この文は、いつもプログラムに解説を書いて頂く、大沢さんから頂戴しました。何時も、優しく演奏者の気持を汲んで感想をお寄せくださることが何より嬉しいことです。
3月のあの日、私たちはそのあまりの惨状に震え、被災地を思い涙し、原発事故に怒り、僅かに見出す光明に慰めを求め、平凡で平常な日々がいかに大切なものであるかを思わずにはいられませんでした。
今度の演奏会は、あの日以来の様々な思いを音楽に込めて、祈る場でもありました。本番前のマエストロの言葉「テ・デウムで被災地が元気になるよう願い、このレクイエムを亡くなられた方々に捧げよう」を全員が聞き、皆の心が、そこに向けられたのを、大沢さんが感じ取って下さったこと、そして恐らく沢山の方に、それを感じ取って頂けたこと、祈りが届いたことを確信しながら、演奏会が無事終ったことに感謝しております。
技術的な面では、サンクトゥスに象徴されるように、顔が上がって前回より格段の進歩?もあって、お聞き頂いた方からの感想も殆どが好意的であり、演奏会としては成功であったと思われます。
音程の幅や動きの重さを鋭く指摘されたご意見も頂き、この辺は残念ながら認めざるを得ません。

 いよいよ始まった「パウロ」では、月並みながら、言葉のリズム読みの徹底、楽譜を縦に聞く耳の訓練に、団員一人ひとりが努力を重ね、より良いアンサンブルが出来るような団にして行きたいものです。                                                                                                                                                                                              

                                                                                                      (B) 鈴木 愼吾

湘南フィルハーモニー合唱団
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