テンポとリズム

9月19日 ブラームス ドイツレクイェム2番 港南公会堂

港南公会堂ははじめての会場だ。白い壁はひまわり模様。座席は背もたれが黄色で座面は緑。明るいひまわりのイメージの中、草は枯れ、花は散る、と歌い始める。
 よく響く会場でついつい自己陶酔しかけると、早速テンポの修正が入る。フーガは1拍めと3拍めの重い拍をまず正確に歌ってテンポに乗る。und1語にもリズム感を持ち、付点4分音符分母音を伸ばし、8分音符で子音を飛ばす。なるほど。先生の具体的な指示のもと、それぞれのパートがどんどん指揮に合っていく。まあ、ちょっと差はあったけど・・・。それから女声同士、外声同士などで合わせ、全体を合わせ、音楽が一層すっきりしていった。指揮のテンポの中で全員が歌い、逸脱したら調和を乱し、音楽を損ねる。そのテンポやリズムに束縛されていく感覚が心地良かった。
 ブラームスの不思議なリズムも堪能した。ソプラノはフェミオラをマルカートで歌い、他のパートの3拍子とのずれを際立たせ、6拍後には元に戻る。284小節から287小節。先生は、「3拍子が見える」とおっしゃった。本当に見える。しかもその3拍子はベースが1拍早くはじまり、他のパートが追いかけ、12拍たつとちゃんと元の4拍子に戻る。本当におもしろい。こういうの何て言うんだっけ・・・。思い出した!最小公倍数だ。
 今はまだ、自分の声を指揮に合わせ、リズムや音程を正確に歌おうとすることで精一杯。早く全パートを聴き分けながら、このおもしろいリズムや他のパートとの絡みを楽しんで歌えるようになりたいと思う。3DM

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