2025年5月24日(土)戸塚フォーラム ミサ・ソレムニス グロリア
独創的で先鋭な作品を次々と生み出した「楽聖」ベートーヴェン。情熱的で気難しく、こだわりが強く、部屋は散らかり放題・・・Gloriaの練習をしていると、確かに天才というか、紙一重というか、凡人には思いつかない領域の壮大なスケールをびりびり実感しますね。無茶な高さの跳躍、予測できない着地、突飛なリズム、どのパートも振り回されては落とし穴に落ち、集中力を持続するのが大変です。何拍伸ばして何拍休むのか、トリックにはまらないように、休符にリンゴを描いてみました。つかみどころのない音の動きは、句読点を打って短くして、手に負えるかたまりにすると頭に入りやすいようです。それでも相当苦労するけれど、繰り返しているうちに少しずつ慣れてきます。ここで雰囲気で歌ってしまわずに、音程をきちんと把握するのが大事とのこと。4パート、地道で堅実な練習が続きました。家で音取していると、誰かが聞いたらいったい何をやっているんだろうと思われるだろうなぁとお隣の方がつぶやいていましたが、激しく同感です。まったく、ボタンを押せば音が出るわけじゃないんだから。
音楽室でよく見かけるベートーヴェンの肖像、手にしているのはミサソレの楽譜なのですね。わざわざ肖像画に入れるくらいですから、気難しい天才が相当の力を注ぎこんで作り出した傑作であることは想像できます。
それにしても、耳の聞こえない状態でどうやって作曲したのでしょう。一説によると、骨伝導で音を聴いていたとか。口にタクトを加えてピアノに接触させ、歯から内耳に音を伝えて聴いていたそうな。気の遠くなるような作業ですね。苦労して生み出された音たちは、苦労して再現しないといけないのです。は~ ちょっと気が遠くなりそう…
Heavenly Blue
天才の領域

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