細部に宿るもの

10番から1番への練習。ドヴォルザークの親しみやすさというか、わかりやすさというか、この曲みんな好きなんだなぁと歌っていて感じる。といっても、情に流されて歌いたいように歌っていていいはずがなく、マエストロは細かい部分にもたっぷりていねいに時間を割く。子音の捌き方はリズム感に直結しているので、毎回ちゃんとできるようになるのは結構な積み重ねが必要。和音の色を感じて、どっしり明るい響きや落ち着いた感じや荘厳さを歌い分けること。音量のバランスも、単語ひとつの中でも10:7だったり、10:9.5だったり微妙な感覚を使い分けられないといけない。楽しい時間だけれど、求められていることは全部きちんとこなそうとするとなかなかハードルが高い。骨太の骨格や彫りの深い表現がだんだんに出来上がってくる過程を、たっぷり楽しめるのはしあわせなことだ。暑くて大変だけれど充実した時間を大切にしたい。

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