2週にわたって練習がお休みになりました。このブランクの間にコロナウイルスの影響は巨大化してしまい、全国規模のイベントだけでなく、私たちのささやかな、でも心を込めてたくさん準備してきた演奏会やそのための練習までもが脅かされています。水際対策は決壊してしまった今、感染拡大を防ぐための活動の自粛や縮小はやむを得ないのですが、先が見えないまま自粛を続けていたら、コロナの終息の前に合唱団が委縮して息の根を止められてしまう。そんな危機感もあります。
そうした中で何とか練習を再開しようとみんなでいろいろ知恵を絞りました。狭い空間で大勢が集まり、近距離で飛沫が飛ぶ環境、普段はまさにそこにどっぷりはまっているのが合唱団ですから対策も手を尽くしました。天井の高い広い会場はいつも合宿に使っている国際会議場。扉を開け窓を開け、従業員通路も開けてもらって外気との換気。座席は前後左右をいつもの倍の間隔、食事は対面に人が来ないように配置して時間差でとり、ドアノブやいすなど接触面の消毒、こまめな手指の消毒はもちろん、問診票を作って体温を記入、家族に感染者がいないかなども調べて提出しました。体調に自信のない方、風邪などの症状のある方は無理せず休んでいただき、6割程度の団員の参加で、合宿を縮小した一日練習を実現しました。
最終的にはマスクをしての練習も試みるなど、やれることはみなやってみましたが、それでもやはり不安は残ります。会社で集会への参加を禁じられている方やご家族の同意を得られない方は泣く泣く参加をあきらめなくてはなりませんでした。いろいろな思いがある中での練習の再開。もちろん賛否はあると思いますが、5月の演奏会の可能性がまだ残されているうちは、練習を続けたい、リスクを回避しながら希望を持ち続けたい、みんなの気持ちを前向きにつなぎとどめたい。中止や延期はやむを得なくなった時点で選択する。
さて、こうしてやっと再開した練習。久しぶりにみんなに会えて、本当にうれしかった。いろいろな作業もあっという間にみんなの手でこなされていきました。小さな濃厚な社会を私たちは何年もかけて築いてきているのだと思いました。「エリヤ」を一通り全曲通しました。歌い始めればだんだん熱が入ってきます。みんなで息を合わせるのが大事な場面がいくつも出てきます。気持ちを合わせるってそういうことだよね。最初はマスクもしてみたけれど、息は吐けるけど吸えない!メガネが曇って視界が悪いし、マエストロからは誰がちゃんと歌ってくれているのか当然だけれど全然わからない。マスク着用者はだんだん少なくなっていきました。仕方ないか。30分おきの換気で冷たい風が吹き込み、コートを着て歌っている方も。ここで風邪をひくわけにはいきません。いろいろな緊張感があって疲れましたが、やっぱりやって意味のある練習だったと思います。参加できなかった方のことを思うと本当に胸が痛むのですが、と言って何カ月も空白にしてしまっていいものか、悩みます。あたりまえにできていたこと、毎週たっぷりと歌えていたことのありがたさが身に沁みます。一日も早く終息することを祈るしかありません。とりあえず1回やってみました。また更にみんなで知恵も力も出し合って考えていきましょう。Hirf,herr! 神様お願い!よろしくお願いします。
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