アラカルトの楽しみ

3月18日(土)バッハ マタイ受難曲 30・36b・38b・36d・37・29番 神奈川公会堂

 全6曲アラカルト。マタイの様々な側面の曲を味わった。30番はヘミオラのリズム感を意識した練習。典型的なヘミオラ、ちょっとヘミオラ風。2拍子が3拍子の曲のそこここに潜んでいる。歌うのは意外と難しくて、変なところにアクセントをつけたりしてしまったが…。38bは伴奏の同じ音3つの繰り返しで笑っている。ハハハッ、ハハハッ、と笑っている。テノールはSpraハハハハハハハハーと笑っている。「軽々しく無責任」に大バッハの曲を歌うのが快感だ。もっとバカになって、と言いながら、軽々しく歌うことは筋肉を使うこと、と先生は釘を刺すのも忘れない。はい。軽々しく無責任に聞こえるように大バッハの曲をきちんと歌うんですよね。
 イエスを叩いて嘲笑する36dと、そんな恐ろしいことをした罪に驚き反省する37番コラール。先生が多重人格と言われたが、本当にページをめくると別の人格が現れる。37番は10番と同じメロディだが、ずっと動きが多くて感情の高ぶりが感じられる。テノールの最後の方の山型の音型も心に残るし、ソプラノも終曲と同じ小さい山型で動く。ここも泣いているのかしら。
 いろんな曲想のいろんな楽しみ方ができたが、私が今日印象に残ったのはベースのオクターブの落下。38bや36dで何度も出てきて、いかにもベースらしくて気に入った。3DM

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