わかっちゃいるけど気が緩む

8月24日(土)ハイドン 四季 9・12番 戸塚フォーラム

 子音の入れ方、曖昧な音程、ぬるいリズム。それらを徹底的に修正して輪郭をはっきりさせる、妥協を許さない練習だった。いい加減にごまかして雰囲気で歌っていた箇所が白日の元にさらされる感じだ。
 似て非なる音や伸びすぎた音やずれた子音が容赦なく指摘され、切り取られていく。他のパートを聴いていると音やリズムが揃っていくのがよくわかる。他のパートのことは本当によくわかる。
 12番のDは伴奏の十六分音符の縛りがあるのに、簡単な四分音符が遅れて注意される。簡単な所を正確に。メリスマ以外をコンパクトに。ピアノの時こそ生き生きと。はい、わかっています。いつも同じ注意をされているので。ほんの一瞬気が緩んだだけなんです。ゆっくりになったから簡単、単純なメロディーだから簡単、弱くなったから簡単。そういう思い込みを捨てなければならない。
 フーガのどこにテーマがあるかを知り、対旋律になったらテーマを立ててわきまえる、という注意もあった。和音を歌う時根音か、第3音か、第5音か、をさんざん意識したように、自分の役割を考え、全体に配慮しなければいけない。本当にわかっているんです。気がついたら対旋律だったんです。北海道組は今頃どうしているかしら、などと思いを馳せつつ、こちらはもうどこにも気を抜ける所のない現実に、残暑の疲れがどっと出た。 3DM

コメント