平和を願う


2025年11月8日(土)ベートーヴェン ミサ・ソレムニス アニュス・デイ 神奈川公会堂

 今日はアニュス・デイに専念し、様々なdonaが印象に残った。まずWのベースとテノールの掛け合い。最初は音が濁り、リズムもばらけていたが、そのうち合ってきて自信もついたのか、どうだ!どうだ!と2パートで張り合ってドヤ顔で歌っている感じになる。休憩後先生が代わり、Oのdonaが2小節単位で十字架音型と説明があり、あ、本当だと思う。その後の233小節からのアルトのdonaはすごかった。落下の幅が微妙に変わっていき、なかなか下の音が揃わない。先生はいろんな練習を試みて正確さを追求し、聴いているこちらまで必死に音を探ってしまった。
 合唱団にとって長く苦難の道のりとも言えるミサソレの最後は、6度の落下が2回ある美しいフレーズ。ここのdonaも良い!この旋律はソロも含めて4回出てきて、全てパターンが違う。今日の練習で私が1番好きだったのは402からのフレーズだ。TSBAの順にdonaを歌い始め、pacemで揃う。
 その直後の伴奏部の異質感に先生は言及されたが、この曲は最後の最後まで不穏な部分をさし挟みながら、何度も何度もpacemを繰り返す。そこには来るべき平和への確信よりも、震えるような不安が感じられる。もう楽聖とかドイツ三大Bとかの肩書を取っ払って、ルーちゃん、心配だったのね、平和を望んでいたのね、と言いたくなった。3DM

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