10月は毎週のように本番があるマエストロによる久しぶりの練習だった。150人で歌うアカペラ,ローリゼンのO Nata Luxはとても美しい・・はずなのだが、どんよりとした雲に覆われたような音で、なんともいえず重たい。こんなにきれいな曲を歌うんだ!という喜びがこの厚い雲を吹き飛ばしてくれるはず。
前の曲の後奏の二つのレの音。ひとつは短調で聞き、もうひとつは長調で聞く。ピアノが和音をそっと足して弾いてくれた。本当に光が射し込んでくるようで心が震える。その後は高級なレースのカーテンをそよがせるような風のように。決して裾にカビが生えたりしていないように・・マエストロのたとえ話は結構リアリティーがあってドッキリ。できるかぎり体も神経も使わないと、次の曲で転調してしまう危機が待っている。それだけは避けたい!
カルミナは勢いである程度は歌えるかもしれない。でもローリゼンのLux Aeternaはまったく対極にある。二度の音程のぶつかりや跳躍する音、同じ旋律の絡み合いなど、繊細な色合いを歌いこなさなくてはならない。難しいし大変だけれど、これを歌えること取り組めることはとても幸せなことだと思う。もっときれいな音を鳴らせるように、もう少し何かを変えよう!
コメント
本当にLux aeternaは難しい。特にO Nata Luxはアカペラだけに150人が気持を寄せ合わせなければならない難しさがあると思う。しかしそれ以前の問題として前曲の最後の二つのD音を短調と長調として感じる時、ニ短調のどの音が変化してニ長調になるのかを一人残らずきちんと理解しているだろうか?大変失礼ながら、私の周辺では覚束ない方がいらっしゃるような…。こんな基本的な事を理解しなければ、次の音は取れないし、結局その人は、出られる人が出た一瞬あとから出ることになってしまう。ソプラノとバスはその変化した音が次の曲の頭になるのに…。まだまだ基本をしっかり覚える方策を考えなければならないのではないだろうか。