合宿終了

今年の合宿は冬。行きも帰りも、澄んだ空気の中で富士山のシルエットがきれいでした。
「1回目でちゃんとできない湘フィル病」は相変わらずで、初日の冒頭から曲に向きあう心構えの甘さをマエストロからグサッと指摘されました。本番まで練習はあと6回!意識を変えることは大変なことですが、全員の気持ちがひとつに集中すると演奏の質がぐっと変わってきます。ここでひるんでいる場合ではありません。パート毎に時間を取ってそれぞれに秘策を練ったり注意事項を確認したり。アルトでは、ブラームス運命の歌の冒頭のアルトソロは全員かならず顔を上げることを約束して臨みました。何もやろうとしないでできないのと、やろうとしてできないのとでは大きな違いで、息継ぎを工夫すればもっとうまくいくのではと、次のステップへ向かう具体的なものが見えてきます。優れた指導者のもとでいただけるものを待っているのも幸せかもしれませんが、求めてする練習の方がずっと楽しいし、収穫も多いですね。
忙しい年の瀬に二日間お宿にこもりきりで、食事以外はずっと歌っているという、はたからみれば尋常でない時間の使い方。ブラームスの和音の使い方がこんなにきれいなこととか、みんなの気持ちが揃うだけで空気が動くこととか、振り子の運動のような加速と減速の揺らぎの心地よさとか、そこで味わえることも本当に非日常のことばかり。でもそういうものに、なぜか心を満たされるのですよね。その時の練習でうまくいって、いいなぁと思ったことはたくさんあるはず。そんなきらきらしたものを忘れないように積み重ねていって、いい本番を迎えたい。

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