やっぱりいい曲でしたね。オケ合わせの現場では本番のイメージがなかなか湧かなかったのですが、すみだトリフォニーホールの響きのしっくりくる感じがとても心地よかったです。オケの音が全然違って聞こえて、一気にその気になるというか、音楽の中に引き込まれました。ぐいっと湧き上がってくる集中力が目に見えるよう、パートソロの声のまとまりが見違えるようです。前回の大雪演奏会でも思ったけれど、集中すればこういう声が出せるのですね。本番だけじゃなく、練習でもこんな感じを味わいたい。
メンデルスゾーンの詩篇はあっという間でしたが、いい緊張感があってなかなかよかったなと思えました。冒頭のアルトソロが歌えてしあわせでした。
ドイツレクイエムは、う~むこちらはなかなか大変でしたね。すごくよかったところ、ばらけそうで必死でこらえたところ、山あり谷あり、強靭な気力体力の必要な曲だと改めて感じました。個人的には5回目の演奏になるのですが、歌いながらしみじみ実感がこもるのは年を重ねたせいなのでしょうね。悲しむものはさいわいであるとはじまり、草は枯れ花は散る、わが命のはかなさ、天国のすまいの美しさ、母の愛となぐさめ、生と死がせめぎ合う壮大なフーガ、そして浄化されるようにめぐってくる、さいわいなるかなというソプラノのテーマ。へとへとになったところに極上のメロディを歌わされるという試練がしあわせでもあるのですよね。人生の縮図といったら大げさかもしれないけれど、どの曲も心にしみてきます。飛び出したり出遅れたりずれそうになったり、いろいろありましたが、みんなで頑張ったという充実感がすごくありました。でも3番のフーガ、惜しかったなぁ、もうちょっとマエストロにちゃんとみんなでついていきたかった。次の課題ですね。お疲れさまでした。
コメント