いいものを生み出す

今週も5番の練習です。練習のたびに新たな表情が加わっていくのが楽しいですね。各パートでテンポ感を共有し、音程をきちんと取って運んでいくことで、波紋が広がっていくような展開が鮮やかになっていきます。フレーズのちょっとした切り替えを素通りしてしまわず、“ほら!”と何かいいものが出てくる手品のように大事に入る。そんな集中力が150人で発揮されたらとても魅力的!やりがいがあって楽しみです。
合唱祭の曲は、タイムを計ったらぎりぎりでOKだったので3番になりました。久しぶりに歌ったら、音程がよろけて残念なところもありましたが、これを舞台で歌えるのは嬉しいですね。本番を聴いてみたいと思っていただけるようにしたいです。
練習の前に、服部先生が指揮するアンサンブル・フェリーチェの演奏会を聴いてきました。会場は府中の森ウィーンホール。500人規模の小ぶりなホールですが、パイプオルガンがあってとても豊かな空間です。コントロールされた声がホールの響きにとてもよくマッチしていて素晴らしい演奏会でした。「祈り」がテーマということで、ラインベルガーやラターにKen-Pの「前へ」、三善の「生きる」、信長「くちびるに歌を」、それにフォーレ「レクイエム」、歌っても聴いても幸せになるいい曲ばかりが並んでいました。どの曲も伸びやかに歌われているのが印象的。中でもソプラノが美しかった。フォーレの「レクイエム」は安原先生のオルガンとヴァイオリンが1本という編成。ソロは柴山ご夫妻。コンパクトなサイズ感と重厚なオルガン、選りすぐりの名曲にクリアな声の響きという組み合わせが、とてもセンスのいい上質な感じを生み出していました。素敵なフォーレを聴けてよかったです。乗り換え4回、2時間弱をかけて聴きに行ったかいがありました。練習に向かう足取りもちょっとワクワク。自分もうまく歌えそうな気分になったりして。現実は厳しいですが、夢は大きく持たなくちゃね。

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