舞台に立つということ

5月21日(土) ブラームス ドイツレクイェム 6・7・1・2番 神奈川公会堂
5月22日(日) ラインベルガー スターバトマーテル全曲 ブラームス ドイツレクイェム 2〜5番 保土ヶ谷公会堂

舞台に立つということ。それは、歌を聴かせるだけでなく、歌う姿を見せるということだ。息の吸い方一つで会場の雰囲気を変えるということだ。今週は、私たちは演じるのだ、ということを認識させられた練習だった。「全体で息を吸っている動作で説得力が出る」という先生の話はまさに説得力があった。「息吸って」「息吸おうぜ」と何度も声が飛ぶ。次に出てくる音の表情で吸えるかどうか、振り子のように息を吸って声が出る、など本当に納得させられた。息を吸う姿さえも意識して観客に見せるのだ。先生が、指先まで神経の行き届いた繊細な指揮で観客を魅了するように、私たちもwoで見栄を切り、最後の子音まで丁寧に歌い、歌い終わって後奏を聴くその姿で一気に会場を惹きつけたい、そう思った。
 もちろん演じる姿は美しい演奏につなげるため。発声で何度も言われる、自分を見張るという言葉。耳を指差す先生のしぐさ。これに尽きる。残されたわずかな練習で、耳と目を集中させよう。会場でしかできないのだから。
 2番の出だし。重厚で豊かな声で子音もはっきり揃って最高の葬送行進曲だった。演奏会の冒頭を飾る、スターバトマーテルの男声の出だしもマイルドで美しかった。それらの世界観を壊さないように入ろう、と自然に思えた。確実にいい演奏会になるだろう。あと10日ほどで私たちはどれほど成長を遂げ、どのように音楽が変化していくのだろうか。3DM

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