9月2日(土)バッハ マタイ受難曲 53b〜68・3〜10・29番 磯子公会堂
どんどんオペラティックになっていく。53bの”gegrüßet seist du”はばかにしたように。54の”gegrüßet seist du”は温かみのあるフォルテで。同じ言葉を全く違うニュアンスで歌う。67番はエスプレッシーヴォがたくさんある状態で涙を流しながら歌う。演じよう、演じてください、と何度も言われた。
一方、技術的にはあくまでも冷静さを求められた。58bや58dは入りの明確さやリズムの遅れを徹底して修正し、60番は八分音符の通奏低音とひたすら単純に合わせて歌う訓練をした。68番は「みんなで泣いてみましょう」と言いながら、でも泣くリズムはあくまで正確に際立たせ、八分音符二つのパルスは長短の関係にしてテンポ内におさめる。「感情に流れる歌い方をするが、技術的には冷静に。」という先生の言葉が今日の練習の全てを物語っていた。
ばかにした声で歌うマタイの演奏なんて聞いた事がない。私たちはとても冒険的な、革新的な演奏を試みようとしているのだ。すぐ下向いちゃう、と言われないようにできる限り暗譜して、皆でオペラ「マタイ受難曲」を演じたいものだ。号泣しても指揮は正確。これがお手本だ。
今日も58bで「これが1回目だったら…」というお馴染みのフレーズを言われた。ところが!……4bでは1回目で「よかった。」の評価。よかった!今日はよかった、で終わろう。3DM
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