マエストロによると、ルクス・エテルナのスコアには、十字架が仕込まれているのではないかという。珍しい横長のサイズで、熱があった時に眺めていたら、冒頭の曲のアカペラの合唱部分とオーケストラの部分がきれいな十字架に見え、ひょっとしたらと思って終曲の同じ形の部分を見たらやはり同じきれいな十字架だった。十字架の楽譜といえばバッハだけれど、ローリゼンも意識して作っているに違いないと、鳥肌がたったそうだ。
私は合宿でこの曲を通した時、元に戻ってきたところでちょっと感動して泣けてしまった。長い旅、long and winding road をたどってきて、最後に安らぎの地が用意されていた・・・永遠の光、永遠の安らぎが音で感じられるようにできているんだと思ったのだけれど、十字架が隠されているとしたらどのようにとらえたらいいのだろう。十字架を背負ってくださった方がいたからこその安らぎということなのだろうか。
声が出なくて見学していたので、すでに本番モードと思われるマエストロの指揮がとてもまぶしく感じた。いろいろなものがびりびり伝わってくる。こちらでエネルギーを出していないと居場所がない感じだ。ここで声をひそめて、ここで緊張して、ここではがしがし歌って、ここはぐっときてしまって・・本番で押し寄せてくるであろう感覚がちょっと頭の中をよぎった。楽しみな本番。うまく歌いたい。自分も感動して感動を伝えたい。
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