これで何度目のSanctusだろうか。歌い始めてすぐに、8本の糸は何十本ものささらになって絡み合ってしまい、どこから解きほぐしてよいやら、服部先生のなんともいえない表情が印象的だった。それぞれが一生懸命歌っているのだが、個人的に一生懸命すぎるのか、有機的なアンサンブルにならない(ま、ばらばらぐちゃぐちゃってこと)。テンポ正確に、軽やかに、落ち着いて、リズム合わせて、対旋律のかみ合わせ、構造を聞き取る・・・・・隙間がないほど書き込みもあるのに、なんで合わせられないのかなぁ。みんな真面目なんですね。つい我を忘れてがんばってしまう。Pなのに、気がついたらがちがちに力入って歌っていたところいくつもありました。もう少し余裕を持って回りを聞く、それだけでずいぶん光が見えてくると思う。雨森先生いわく、初めはばらばらだっていいんです・・・でもいつまでもばらばらでいいはずもなく、もう初めじゃないのだし、なんとか整えたい。
Te Deumは、見通せてくると案外短い。たくさん音符が書いてあるけど、Doppelだから歌うところは半分ですもんね。次へのエネルギーを充填する、FFと同じエネルギーでPPPを歌う、言葉の発音にかけるエネルギーetc、エネルギー表示がたくさん。イタリア人のエネルギーの振幅はハンパじゃないのですね。絞るところは絞り、こってりのところは思い切り脂っこく!スタミナつけなくては~
別のお仕事を終えて、後半に駆けつけてくださったマエストロから次回の曲目が発表された。メンデルスゾーンの「パウロ」。マエストロが湘フィルの本番を始めて指揮したのがこの「パウロ」。私が湘フィルで初めて歌ったのもこの曲。思い出深い、とてもとてもいい曲です。
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