オケ合わせ

いよいよオケ合わせ。弦の弱音は霧のようにソフトに立ちのぼり、笛や太鼓は雷鳴のように轟く。耳は真空になったように自分の声はまったく聞こえず、まわりの音だけが嵐のように押し寄せる。向かい風に逆らうようにテンポもぐっと重くなったりする。映画のセットの中からいよいよ本物の荒海に繰り出すと、今までとの環境の違いに戸惑ってしまう人もいるだろう。でもこのギャップを楽しむのがオケ合わせ。アカペラのつもりでがんばっていたところが楽器に助けられたり、当たっている音が解決するとえもいわれぬ平和な空気を味わえたり、いろいろな発見やワクワク感がいいですよね。一回目のオケ合わせにしてはいい出来とマエストロは仰ったが、現場では真空で気を失ったのではないかと思うような音もしていて、もっとお互い聞きあって合わせていきたい。明日はソロも入って更に盛り上がるはず。もっと楽しめるといいな。

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