たとえばソプラノのパートソロの出だし、そのちょっと前にマエストロが「ここ」とひと言。う~ん、なかなかいい音程のフレーズが流れ出す。何も言われないとうまくいかないのに、たったひとことでジャストタイミングで準備ができる。たとえばテノールの声が浅くなってしまうとき、顔の角度をいろいろに変えて、少しあごを引くあたりで止めてみる。おぉ~、強くても開かない落ち着いた声になる。振動数は同じでも顔の空き方(中の空間)で響き方がかわることを、マエストロ自らやって見せてくれる。このわかりやすさ!各地のセミナーで最適の処方箋を瞬時に施す『歌のスーパードクター』と絶賛を浴び、人気の高まっているマエストロの練習を毎週受けられる私たちは、なんとしあわせなことでしょう。発声、音程、リズム、和声、発音、ばかりでなく、楽譜の行間に潜んでいる大切なことも引き出して、どんどん歌いたくなってくる、うまくなりたくなる。多少具合が悪くても、練習に出ると元気が出るのはやっぱりマエストロのお薬が素晴らしいのですね。改めて納得してしまいました。
今年は1月にダイアモンドコンサートがあり、9月にミサソレの定演があり、10月の合唱祭、12月のクリコン、どれも心に残るいい演奏会でした。忙しかったけれど、たくさん歌えて一生懸命練習できるのはすごくいいことなのですね。来年もみんなで心を合わせていい演奏ができるようになりたいです。ではよいお年をお迎えください。
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