ホール練習

茅ヶ崎市民文化会館大ホールでの練習。反響板抜きの厳しい環境ですが、マエストロとオケを挟んでの距離感や広い空間での感覚を試すのには好適。ブラームスから始まり、ほぼブラームスで大事なポイントを再度確認しました。まず顔で音楽をもっと説明して遠くまで届けること。マエストロのよく動く濃い眉はそのためにある・・のだそうで、かなり納得。母音を長く密度を与えて歌うこと。遠くにあるろうそくの炎を揺らすには、ゆっくり細く息を吐き続ける~響きを育てて送り届ける感覚。出だしの音を集中して一本にすること。アタックでなく合唱としての音圧をつくること。細く高く入って柔軟に筋肉を使う。マエストロの手が上がるまで声を出さない~アウフタクトの準備を充分にすること。弱い音でテンションを下げないこと、などなど。わーっと浅く広く通すよりも、じっくり頭と体を使ったので、体にしみこんだ気がします。しかし、アレグロになってからのあのヘミオラの部分は、何度やってもつるつる滑っていきそうでこわい。マエストロがガッガッとブレーキをかけるのがいかにも体に悪そうで・・・何とか自分たちでもっとコントロールできないかなと思います。通常練習はもうあと1回を残すのみですね。ベートーヴェンの言葉も消化して、噛んで悔いを残さないようにしたいです。中途半端に覚えると、かえって噛んだり白くなったり始末が悪い。あともうひと踏ん張り!

コメント

  1. たのじ より:

    いつも核心をとらえた練習記録を読ませていただきありがとうございます。
    松村先生の言われた言葉を一緒に聴いているはずなのですが、殆ど馬耳東風で頭に残っていない私にとって、豊かな知識と理解力にに裏付けされたこの練習記録は貴重です。
    手を上げ始める時まで発声を待つ・・・という表現は初めてですが、アタックさせないための例外的なご指導なのでしょうか?

  2. tahi より:

    舞台から最後部客席の人とおしゃべりしようと思ったら自然と表情もオーバーアクションになる筈。マエストロの眉の動きに近づけようと頑張って動かしてみると、おでこから頭頂部、後頭部へと繫がる筋肉が疲れる…疲れる…。
    つまり足りないんだね、まだ!
    MMホール2000人に届くように…。がんばるよ!

  3. M.A より:

    たのじ様のご質問について。マエストロは、声の出初めは針の先のように細く入って、すばやく膨らませていく、という要求はしばしばされていると思います。ダウンビートにならず、もちろんアタックで始まらず、アウフタクトの準備を充分にするという意味だと思います。今回の、手を上げ始めるまで声を出さないという表現も、ゆっくり深く息を吸って準備をし、やわらかく息を運んでいくという方向で、表現としてはやや意外性があるかもしれませんが、例外的なご指導ではないと思います。お、私は感じましたが、お答えになりましたでしょうか。