2月も終わり、本番まで残すところあと1か月少々。もうそろそろ顔を上げて、今までやってきたことを自信を持って表現する、あるいはしようとする空気がぎゅ~っと濃くなってくる時期・・のはずなのですが、ちょっとまだ情けない感じでした。マエストロに代わって全曲を通して歌うことを試みた服部先生からは、終了後「7:3で君たちの負け」というコメント。出だしの無防備な声、フレーズの最後の支えのなさ、広いホールに声を届ける息の流れは足りず、積み重ねてきたはずの様々な表現も自分から実行できていない、先を読んで次の表情の息を吸ってほしい等々、厳しい現実を感じました。中でも残念だったのは、6番の終盤341小節の通過。フォルテからピアノの表情を引き出すために、一旦ブレイクがありていねいに狙って出るというだけの、テクニック的に何も難しいわけではない、そこを意識してそうしたいと思っていればできることが、やっぱりできなかったこと。そこを失敗すると自らの集中力のなさが露呈するわけで、かなりがっかりします。そこを通過するときのハッとするような表情を美しいと、実現したいと思っていれば飛び出さないと思うのですけどね。何度も注意を呼びかけてきたパートリーダーのひとりは、ここが近付くと手が震えると涙目になっていました。やり直せばできるというのは一回目では絶対できないということで、一回しかない本番はうまくいかないということですよね。やればできるは、やらなきゃできない。いったいいつになったらやるのでしょう。たとえ本番のときのテンションで一回だけうまくったとしても、それまでの練習でずっとがっかりし続けるなんてずいぶんもったいない話です。練習のたびにできることが増えて、みんなとの一体感やこんな風に歌えることの喜びを体いっぱいに感じながら過ごしたいですよね。去年の雪の日の演奏会では素晴らしい集中力を発揮できた、あの湘南フィルの底力を信じたい。本番だけでなく、貴重な練習時間をもっと充実させたいと思います。もう、雪乞いしちゃおうかな。お客様がまた300人でもさびしいけど。
白井先生の発声練習では、ドイツ語の子音の影響で母音が下がってしまわないためのレッスンが行われました。工夫の詰まったこんなサポートを受けられるのもありがたいこと。ちゃんと曲の中に取り入れたいです。意識的にいろいろなことをやっていくのは大変だけど、大変なことをこなしていくのが練習の楽しさだと思うので、あと一か月、やってきたことを全部出し惜しみしないでやり尽くして、ドイツ・レクイエムを、詩篇をたっぷり味わいましょう!
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